当院の
精密根管治療の特徴
正確な診ができる「歯科用CT」
根管治療では、わずかな見落としが再発につながるため、正確な診断が何よりも重要です。当院では、歯根や歯槽骨の状態を立体的に把握するために、必要に応じて歯科用CTを用いた精密検査を行っています。
従来のレントゲン写真では、歯や骨の状態を平面的にしか確認できませんでしたが、歯科用CTでは3次元の立体画像として細部まで可視化することができます。
これにより、神経の位置関係や骨の厚み、炎症の範囲などを正確に把握することができ、治療方針をより確実に立てることが可能になります。
難症例の診断や治療精度の向上にも大きく貢献する検査機器です。
無菌化状態で細菌が侵入することを防ぐ「ラバーダム」
根管治療を成功させるためには、治療中に根管へ細菌が入り込まないようにすることが欠かせません。
当院では、治療中の感染を防ぐために「ラバーダム防湿法」を採用しています。ラバーダムとは、薄いゴム製のシートで治療する歯の周囲を覆い、唾液や口腔内の細菌が根管内に侵入するのを防ぐための器具です。
これにより、治療中の環境を無菌に近い状態に保ち、再感染のリスクを大幅に減らすことができます。
欧米では根管治療の際にラバーダムの使用が標準となっていますが、日本では実施している医院が限られています。
当院では、国際的な基準に沿った衛生管理を徹底し、治療の成功率を高める取り組みを行っています。
拡大視野下での治療が可能な「マイクロスコープ」
当院では、根管の内部をより正確に確認しながら治療を行うために「マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）」を導入しています。
根管は非常に細く複雑な構造をしており、肉眼だけではすべてを確認することが難しい部分です。感染した神経や血管を確実に除去し、内部を清潔に保つためには、拡大視野下での精密な操作が欠かせません。
当院のマイクロスコープは最大20倍まで拡大でき、暗く狭い根管内部を鮮明に映し出します。これにより、細菌の取り残しや微小な亀裂を見逃すことなく、再発のリスクを最小限に抑えることが可能になります。
柔軟性に優れた「ニッケルチタンファイル」で適切な清掃
根管治療では、感染した歯髄を取り除くために「ファイル」と呼ばれる専用の器具を使用します。
当院では、従来のステンレス製ではなく、より柔軟性に優れた「ニッケルチタンファイル」を採用しています。
ニッケルチタンファイルは、湾曲した根管の形状にしなやかに追従できるため、根管を傷つけることなく安全に清掃を行うことができます。
また、弾力性に富んでいるため、器具の破折や変形が起こりにくく、より安定した治療を実現できます。
このように、精密な診断機器と専用器具を組み合わせることで、根管治療の成功率を高め、再発のない長期的な安定を目指しています。
可能な限り歯を残す
「根管治療」
むし歯が神経まで進行してしまった場合、感染した神経を取り除き、根管と呼ばれる細い管の内部を清潔にする必要があります。
根管は非常に複雑な形をしており、肉眼では確認できない分岐や湾曲が存在するため、従来の治療法では十分な除去や洗浄が難しい場合があります。
当院では、マイクロスコープや歯科用CTなどの先進設備を用いた精密根管治療を行っています。これにより、感染源を的確に取り除き、再発のリスクを最小限に抑えながら歯を保存することが可能です。
他院で「抜歯しかない」と診断された場合でも、根管治療によって歯を残せる可能性があるため、まずはご相談ください。
保険と自費の根管治療の比較
| 保険 | 自費 | |
|---|---|---|
| 費用（目安） | 3割負担で1,500円〜4,000円程度 | 1本あたり約5万円〜20万円 |
| 治療時間 | 1回あたり20分程度 | 1回あたり60〜90分程度 |
| 通院回数・期間 | 1週間に1回など、複数回の通院が必要 | 短期間で完了するケースが多い |
| 使用する材料 | 保険で認められた材料のみ | 高品質な材料を選択可能 |
| 使用する機器 | 限定的 | CTやマイクロスコープなど高性能な機器を使用可能 |
| 治療精度・成功率 | 治療内容や技術に制限があり、成功率は約50%と言われる | 高度な技術と機器で精度が高く、成功率は約90%と言われる |
| 防湿 | ラバーダム不使用が一般的 | ラバーダムを使用 |
根管治療後、
症状が改善されない方へ
歯の先端の膿を取り除く「歯根端切除」
根管治療を受けても痛みや腫れ、膿が引かない場合、歯の根の先端に細菌感染が残っている可能性があります。
歯の根の先で炎症が慢性化すると、歯根の周囲に膿の袋（歯根嚢胞）が形成され、痛みや違和感が続くことがあります。
このような症例では、通常の根管内からの治療では十分に対応できないことがあり、外科的なアプローチが必要になります。
当院では、歯を抜かずに保存するための手段として「歯根端切除術（しこんたんせつじょじゅつ）」を行っています。歯根端切除術は、根管の先端部に直接アプローチして、感染の原因となる病変や歯根の一部を除去する外科的な治療です。
歯ぐきを小さく切開し、炎症を起こした組織や歯根嚢胞を取り除いたあと、問題のある根の先端を切断して再発を防ぎます。
さらに、根の先端から根管内へ薬剤を詰めて密閉する「逆根管充填」を行うことで、細菌が再び侵入するのを防ぎます。
当院では、生体適合性に優れたスーパーボンドと呼ばれる特殊な接着材を全症例に使用し、確実な封鎖と長期的な安定性を実現しています。
歯根端切除術は、通常の治療では改善が見込めない難症例にも対応できる高度な技術です。
抜歯と診断された歯でも、保存できる可能性があります。大切な天然歯を少しでも多く残すために、当院では一人ひとりの症状に合わせた適切な治療法をご提案しています。